まわるまわる日時計の かげ 雲をひらく 木の葉まわる 風のちから かげのちから ゆっくりと目覚める あの人の そっくりの 真っ黒な あの人の かげ 追いかける 呼びとめる 無念の地から たったひとりを まわるまわる日時計の かげ 遠い遠い遠い糸 手繰り寄せて からまるの あなたの針で剌して てりつける世界から わたしを守って 愛の枇杷 ふたりを頬張る 時の色 あざやかな 秘密の露 ふたりを飲み干す 熱の色 あざやかな 赤 麦藁のはためく アトリの歌 静かな午後 あざやかな 劈く鉄の笑い 鼓動を連れ去って 針の下在るのは 鉛のわたし きっと 帰って まわるまわる日時計の