もう息(いき)は白くなってしまったね 手繰(く)り寄(よ)せた言葉さえ忘れて 柔らかいその手の感触(かんしょく)は 今でも思い出せるけれど 何を見れば 何を信じれば 僕の居場所(いばしょ)が見つかるのかな あなたが残した透明(とうめい)な扉(とびら)を この手で開(あ)けば空間(くうかん)が消える 何て簡単なことだと気付いてしまえば すぐに届くはずなのに まだ見えないよ もう今じゃ生まれたことも 不完全(ふかんぜん)な言葉で隠して 温かいその手の感触は 今でも思い出せるけれど 何処へ行けば 誰を愛せば 僕の呼吸は続いてゆくのかな いま目を醒(めさ)ました大切な祈(いの)りが この傷口(きずくち)から零(こぼ)れ落ちていった 例えば流れる星にあなたを想ったら いつか痛みも忘れて笑えるかな 始まりの声はいつの間にか消えて あなたへの距離(きょり)だけを残していった その全てをいま消し去りたいから 「どうか繋(つな)ぎとめて。ねえ、その隣(となり)に。」 あなたが残した透明な扉を この手で開けば空間が消える 何て簡単なことだと気付いてしまえば すぐに届くはずなのに まだ見えないよ 見えないよ