何故に陽炎はゆらめいて 黄泉へと誘う澪標か 遥か紺碧の空と海 すべてをのみ込むあの蒼さよ 還らぬ日の想いを胸に抱く季節 儚き泡沫のような運命のものたちも 果てしない輪廻を彷徨えるのなら いつもずっとずっと傍にいてあげる 赤い花弁が落ちる瞬間 数多の生命が 誕生れ逝くの 幾千の歳月を 波が弄ぶ 麗らかな陽の中で私も風になる 大空を花が埋め尽くすように 海をもっともっと抱きしめてあげる やがてきっときっと永遠は 刹那に去って だけどずっとずっと此処にいてあげる ただ風が吹いている 終わり