見ててご覧 ほぅら、一抜けた 触れた側から冷えて抜け殻に 流されて辿り着く現 蕩ける鼈甲の魂 夕ベ紡いだ夢を どうぞ その小指に絡めなさい 痛んだ刺が一つ抜ける…… 息を殺し そっと、一抜けた 怖い怖いと震え抜け殻に 還れずに泣いているあの子 後ろの正面は常闇(とこやみ) 夕べ捕らえた罪を どうか その運命(さだめ)の隠れ蓑にお使いなさい 夕ベ紡いだ夢を どうぞ その小指に絡めなさい 夜が身体を一つ抜ける…… 一人ぬける……