今日もこの手がこの剣を握る時が来た 聞こえる足音はまもなく 僕を見つけては声を上げるだろう こんなところまで気づけば生き延びていた 記憶を掘り起こす間もないまんまに引き抜いた きらり光った刀身に ひらりよぎった君の顔 息を吸い込み吐き出して 目を閉じては開けて たったひとりでかざした剣 それを研いだのは僕じゃない 戦う時はひとりでも ひとりの戦いじゃない 数えきれぬ相手に勝てるさと振り下ろした 今日もこの手はこの剣で不安を切り捨てた 怖いと思うのはたとえどんなに 強くなったって同じだろう ずっと終われぬ旅の途中時には傷を知り 引き抜いた剣を削らせてしまうこともあるだろう ぎらりうねった刀身に やはりよぎった君の顔 息も出来ずにうなずいて 目を閉じてさあ歌え たったひとりで叫んだ声 敵前逃亡を許さない 負けた日になくすのはもう 僕の命だけじゃない 計りしれぬ恐怖も切れるさと言い放った 息を吸い込み吐き出して 目を閉じては開けて たったひとりで戦う日 どうしても怖気づく夜に その勇気を仕上げるのが 最後の一押しになるのが たったひとりでかざした剣 それを研いだのは僕じゃない 戦う時はひとりでも ひとりの戦いじゃない 剣を握る僕の手を握る手があるんだ 数えきれぬ相手に勝てるさと振り下ろした