[00:02.74]福部里志:CDドラマ「氷菓」 「世界氷菓劇場-シンデレラ」 [00:10.79]福部里志:昔々、ある所に、とても優し...こふん、省エネで極度に面倒さがりが女の子がいました [00:23.06]折木奉太郎:おい [00:25.11]福部里志:人生そのものが灰色な彼は、「灰かぶり」という皮肉を込めて、「シンデレラ」と呼ばれていました [00:32.17]折木奉太郎:酷い言われるようだな [00:33.93]福部里志:もう、奉太...じゃなかった、シンデレラ、語り部役に話しかけるなんで野暮だと思われないかい [00:42.91]羽場智博:シンデレラ、シンデレラ  [00:46.05]福部里志:んっほらほら、お姉さまかたがお待ちだよ [00:49.88]折木奉太郎:後で思えでろよ、里志 [00:54.94]折木奉太郎:ここにいますが、なんですか [00:57.13]羽場智博:そんなとこにいたのかシンデレラ、呼んだら素早く来てくれないか [01:01.69]福部里志:彼女はでしゃば...行動的な三女の羽場お姉さま [01:06.88]羽場智博:今、デシャバリって言おうとしたよな [01:10.02]福部里志:何のことでしょう [01:11.13]羽場智博:お前は誰だ [01:12.11]福部里志:語り部です [01:13.16]羽場智博:なんで語り部がシンデレラの横に居るのだよ...まあいい、シンデレラ、これを作ろでおいてくれ [01:21.61]折木奉太郎:なんですかこれ [01:25.08]羽場智博:見て分からないのか。ダメだなそんなことじゃ、いや、無理もないか。このドレスは、かの有名な [01:32.96]折木奉太郎:なぁ里志、帰ってもいいかな [01:35.14]福部里志:ダメだよ奉...じゃなかった、シンデレラ、主役がいなくじゃ話が進まないだろう [01:41.69]折木奉太郎:のっけから酷くつかれるんだが [01:43.94]福部里志:悪意すら感じるよね [01:47.29]羽場智博:分かったか、シンデレラ [01:49.04]折木奉太郎:あぁ、はい、分かりました。羽場お姉さま [01:52.36]羽場智博:じゃ、やっとけよ [01:54.12]澤木口美崎:なになに、シンデレラ、羽場お姉さまに用事付けられたの [02:00.61]福部里志:彼女は自由奔放な次女の澤木口お姉さま [02:05.10]澤木口美崎:シンデレラ、語り部さん、チャオ~(ciao) [02:07.10]ジ~~~~~ン [02:11.44]澤木口美崎:分かってない、分かってないなシンデレラ、ここで沈黙なんかしちゃ放送事故だと思われちゃうでしょう [02:18.90]折木奉太郎:相変わらず色んなしがらみを平気で飛び越える人ですね [02:22.14]福部里志:本当にね。これからの進行のためにも、なるべく早々に退場願い人NO.1だよ [02:29.60]澤木口美崎:んじゃ、改めて、二人ともチャオ~ [02:33.42]折木奉太郎:チャオ... [02:34.57]福部里志:チャオ [02:36.11]澤木口美崎:私も何か言いつけようかな...ん~と、何にしようかな。って、やぁばっ、もう四時じゃん、見たいテレビあったんだ [02:46.26]折木奉太郎:世界観にそぐわない用事を口にしないでください [02:49.53]澤木口美崎:じゃね、二人とも [02:53.82]中城顺哉:シンデレラ!! [02:55.22]折木奉太郎:はあ... [02:57.32]中城顺哉:これは一体どういうことだ [03:00.11]福部里志:彼女は、長女の中条お姉さま。熱意が溢れ過ぎてる人です。 [03:05.62]中城顺哉:シンデレラ、廊下を掃除しておけって言ってただろう [03:09.93]折木奉太郎:やりましたよ [03:11.74]中城顺哉:これを見てみろ、隅っこの方には拭き残しがあああるんじゃないか、コラ、コラ、雑巾掛けの基本がなってないんじゃないか [03:24.40]折木奉太郎:「基本」ですか [03:26.08]中城顺哉:こう、腰を入れただな [03:29.49]折木奉太郎:うん...よくわかりませんね。ちょっと手本を見せてくれませんか [03:34.58]中城顺哉:ん?しょうがないやつだな。よく見とけよ、ウオォォォォォォォォォァァ!!! [03:45.30]折木奉太郎:よし、さっさと進めるか、里志。 [03:48.22]福部里志:強制排除したね、奉太郎 [03:49.81]折木奉太郎:熱意ある中条先輩に、敬礼! [03:53.32]折木奉太郎:ん?意地悪な姉たちはこいつらってことは、継母はまさか [04:02.00]入須冬实:オイ、お前たち [04:03.82]折木奉太郎:やっぱり [04:06.07]福部里志:彼女は、入須お母さま、まさに女帝を体現したような人でした [04:11.30]羽場智博:なんか、入須お母さま [04:13.75]澤木口美崎:もう、テレビ途中なんだけど [04:16.99]中城顺哉:どうした [04:18.23]入須冬实:今夜、城で舞踏会が開かれるらしい。その舞踏会には、私たちも参加することになっている [04:26.10]中城顺哉:本当か。もしかすると、王子の嫁に選ばれるかもしれないな、なあ、羽場 [04:34.71]羽場智博:ふん、中条お姉さま、何を言っているんだ、「もしかすると」ではなく、選ばれるに決まってるじゃないか [04:42.78]澤木口美崎:ご馳走だよね、立食かな、それともコース [04:46.83]入須冬实:ところでシンデレラ、キミは何をしているんだ。さっさと床に這い蹲って掃除でもしたらどうだ [04:54.89]福部里志:おお、さすが入須先輩、なりきってるね [04:58.69]折木奉太郎:責任感が服をきって歩いているようなひとだからな [05:02.27]入須冬实:何をぶつくさ言ってるんだ、さあ、さっさと床を舐めて綺麗にするが良い [05:08.89]折木奉太郎:は...あっいや、それは女帝じゃないですよ。女王さまです [05:14.33]入須冬实:うん?これは違うのか [05:16.19]折木奉太郎:違います [05:17.96]入須冬实:ふむ、分かった。今回の失敗は次回で取り戻す。シンデレラを虐め抜き、必ずや、血の雨を降らして見せよ [05:27.92]折木奉太郎:いやいやいや、何になるつもりですか [05:30.63]入須冬实:では、お前たち、城へ行くぞ [05:34.27]澤木口美崎:は~い [05:35.69]羽場智博:アァ [05:36.69]中城顺哉:オィス [05:39.37]福部里志:こうして、姉たちはシンデレラを置いて、舞踏会に行ってしまいました。一人置いていかれたシンデレラは、悲しくなってシクシクと泣き出しました [05:50.77]折木奉太郎:はぁあ [05:52.42]福部里志:シンデレラは、悲しくなって、シクシクと泣き出しました...ホラ、シンデレラ、泣かないと [06:02.14]折木奉太郎:泣けるわけないだろう。むしろ一人の幸せを噛み締めているところだ [06:07.10]江波仓子:さっさと泣いてください。でないと、進みません。 [06:12.55]福部里志:魔法使いが現れました [06:14.44]江波仓子:呼ばれて飛び出ました。魔法使いの江波です [06:18.78]折木奉太郎:呼んでないがな。あんたも駆り出されたのか [06:22.93]江波仓子:本当は興味もないですけど、本郷も出ませんし [06:26.58]福部里志:シンデレラ一人でも厄介なのに、やる気ないのが二人に増えちゃった。 [06:32.73]江波仓子:とりあえず、役目をまっとうすることにします。それでシンデレラ、舞踏会に、行きたいんですか [06:41.63]折木奉太郎:行きたくない [06:42.73]江波仓子:そうですか。では私はこれで [06:45.51]折木奉太郎:おう [06:46.40]福部里志:ちょちょちょっと、江波先輩、ストップ [06:48.67]江波仓子:なんですか。ローブの裾を掴まないでください [06:52.86]福部里志:このままじゃ終わっちゃうよ [06:54.40]折木奉太郎:オレ的には一向に大歓迎だ [06:57.15]福部里志:シンデレラは黙ってて [06:58.22]江波仓子:はあ...困りましたね [07:01.16]福部里志:とにかく、江波先輩、無理矢理にてもシンデレラに舞踏会へ行く準備をしてあげてよ [07:06.81]江波仓子:分かりました。「古の御霊よ」 [07:12.74]折木奉太郎:物凄く不穏な気配なんだが [07:17.15]江波仓子:「古き盟約に従いて、吾に仇なす全てを滅ぼせぇ」 [07:23.34]折木奉太郎:オイ、今「滅ぼせ」って言ったっだろ [07:26.36]折木奉太郎:ウオォォォォォ [07:29.10]折木奉太郎:コホンコホン、は...おお、こいつは凄え、フリフリだな [07:36.20]福部里志:ドレスよく似合ってるよ、シンデレラ [07:39.43]折木奉太郎:は...里志、お前は馬になってるぞ [07:43.45]福部里志:みたいだね、じゃあ、ボクは馬役もか。って、あれ、ボクが引く車は [07:51.82]江波仓子:では、私はこれで [07:53.62]福部里志:ちょちょちょっと、江波先輩、ストップ [07:56.48]江波仓子:先から何なんですか。ローブの裾を蹄で挟まないでください [08:01.88]福部里志:いや、馬車がないのに、どうやってお城まで行けばいいのさ [08:05.24]江波仓子:ん、手近なところにかぼちゃがなかったので、ここにあるものにだけ何度なくで魔法をかけましたから [08:13.06]折木奉太郎:そこは面倒くさがるなよ [08:15.45]江波仓子:ふん。わがままな人たちですね [08:18.71]福部里志:ボクたちが悪いの [08:20.91]江波仓子:仕方がありませんね。少し、待っていてください。これは、夜に発光する草です。これをこのツボに入れると [08:32.28]折木奉太郎:オイ、それはまさか、失われた古代の移動魔法じゃ [08:36.64]江波仓子:えい [08:43.68]福部里志:お城に着いたね、シンデレラ [08:45.78]折木奉太郎:ああ、まさかあんな犯則技で来るとは思わなかったわな [08:51.04]福部里志:ボク、馬になる意味なかったね。 [08:55.31]折木奉太郎:流石に同情してやるぞ、里志 [08:58.55]福部里志:ふん。それにしても、結構人来てるね。あぁ、羽場お姉さまがいるよ [09:06.83]羽場智博:なんだ、本郷家が来てないのか。せっかく踊ってやろうと思ったのに [09:13.48]折木奉太郎:本郷も羽場の相手は大変そうだな [09:17.05]折木奉太郎&福部里志:合掌 [09:18.45]ディ~ン [09:20.49]折木奉太郎:う?あそこにいるのは伊原か [09:22.95]福部里志:このお城を治めるのは摩耶花王でした [09:26.54]折木奉太郎:語り部役も続いてたのか [09:28.65]福部里志:一人二役も大変なんだよね [09:32.09]伊原摩耶花:はっ福ちゃん、あっ、それとシンデレラ、会いたくなかったわ [09:37.46]折木奉太郎:主役に会いたくなかったとか言うな [09:40.14]福部里志:ところで摩耶花王、愛瑠王子がどこだい [09:43.15]伊原摩耶花:ちょっと待ってね。ちいちゃん~ [09:47.55]千反田愛瑠:お呼びですか。摩耶花さ...はっまあ、折木さん、どうしたんですか、そのドレス姿 [09:55.95]福部里志:ああ、言っちゃっだ [09:58.19]伊原摩耶花:よかったじゃない、シンデレラ、気に掛かてくれる人がいて [10:02.34]折木奉太郎:ううん。おのれ、 [10:04.25]千反田愛瑠:ああっ、えっと、良くお似合いですよ [10:08.22]折木奉太郎:千反田、もうこの格好に付いては一切コメントしないでくれ [10:12.96]千反田愛瑠:そっそうですか、えと、では、ようこそいらっしゃいました。私が王子の千反田愛瑠です [10:20.71]折木奉太郎:不本意ながらシンデレラだ [10:23.07]福部里志:ボクは馬だよ、語り部も兼任しているけどね [10:26.90]伊原摩耶花:なんで福ちゃんが馬なのよ [10:28.95]福部里志:とある人に何度なくで魔法を掛けられてね、あんな裏ボスがいるとは思わなかったよ [10:34.41]伊原摩耶花:何それ [10:35.81]ドン~~~~ [10:37.25]折木奉太郎:閉めた、12時だな。じゃあ千反田、これを渡しておく。 [10:41.48]千反田愛瑠:あっ、綺麗なガラスの靴ですね [10:44.50]伊原摩耶花:ちょいちょいにかける渡し方ね、ちゃんと落としなさいよ。 [10:48.74]折木奉太郎:ほっとけ [10:50.10]千反田愛瑠:では、シンデレラさん、まだ後日、お会いしましょう [10:53.21]折木奉太郎:千反田、ネタバラシを止めろう。あっ、じゃな。 [10:57.11]福部里志:こうしてシンデレラは魔法が解ける前に、城を飛び出したのでした。 [11:01.64]折木奉太郎:なあ里志、ところでこれからどうやって帰るんだ [11:07.09]福部里志:ああ、江波先輩が帰り用にって、羽の形のアイテムをくれてたんだ。ボクのポケットに... [11:13.69]折木奉太郎:お前今馬じゃないか、どこにポケットなんであるんだ [11:17.52]福部里志:ふははははは、無くしちゃった。 [11:21.62]折木奉太郎:このバカ! [11:22.48]福部里志:馬だけに [11:23.13]折木奉太郎:面白くないんだよ [11:26.64]福部里志:さてさて、次の日、シンデレラの家に、お城の使いの者がやって来ました [11:33.58]千反田愛瑠:はっ、福部さん、すみません、使いの者ではなく、私と摩耶花さんで来てしまいました。人手不足なもので [11:41.66]福部里志:は...なんと、愛瑠王子と摩耶花王がやって来ました [11:45.95]千反田愛瑠:ありがとうございます [11:47.52]ココ [11:48.53]入須冬实:なんだ [11:49.43]澤木口美崎:入須お母さま、誰が来たの。ん?王様と王子様じゃん [11:55.63]羽場智博:さてはボクに求婚しに来たのか [11:58.27]中城顺哉:羽場、何を言ってる。オレに求婚しに来たんだろう [12:02.70]伊原摩耶花:昨日、私の城に忘れ物をした人を探してるわ。王子はその人のことが凄く気になっている見たいなの [12:09.29]千反田愛瑠:私、気になります [12:12.04]入須冬实:ほお、お前たちどうだ [12:14.80]澤木口美崎:ああ?そんなしたかな。羽場は、 [12:18.63]羽場智博:ふん、このボクはそんなどぢをする訳がないだろう、中条お姉さまじゃないのか [12:24.76]中城顺哉:ああ?俺か、どうだだかな [12:28.64]折木奉太郎:あっそれオレですよ [12:30.45]中城顺哉:シンデレラが? [12:32.39]千反田愛瑠:まあ、じゃあこの忘れ物は、シンデレラさんだっだんですね。はい、毛氈苔 [12:38.03]折木奉太郎:違う! [12:39.17]千反田愛瑠:違いました? [12:40.17]折木奉太郎:違う、もっと他にあるだろう [12:42.54]千反田愛瑠:じゃあ、これでしょうか。はい、蠅取草 [12:46.24]折木奉太郎:んなわけあるか。千反田、もっとちゃんと、アイテム的なやつだ [12:50.91]千反田愛瑠:アイテム?はあ、これですね。はい、猪籠草 [12:56.41]折木奉太郎:さっきまでと同じじゃないか。なんで食虫植物ばっかなんだよ [13:00.75]千反田愛瑠:でも、忘れ物はこれだけでしたか [13:03.54]折木奉太郎:誰だ、こんな物を忘れていたヤツは、ほら、昨日ちゃんと千反田に渡したんだろう [13:10.03]千反田愛瑠:もしかして、これですか。ガラスの靴 [13:15.51]折木奉太郎:それだ、なんでそれがすぐ出てこないんだ [13:18.61]千反田愛瑠:手渡したったので、てっきり献上品か何かだと [13:22.20]伊原摩耶花:シンデレラがそんなモノクサな渡し方するからよ。自業自得じゃない [13:26.89]折木奉太郎:んん [13:28.08]千反田愛瑠:では、シンデレラさんにお返ししますね [13:30.38]折木奉太郎:よし、これでオレがこの靴を履けば、こんな茶番は終わるな [13:35.52]千反田愛瑠:あれ、そう言えば、もう一つ忘れ物が。これです [13:41.74]折木奉太郎:えっ、その羽型のアイテムは、まさか... [13:45.63]福部里志:それ、ボクが昨日失くした。 [13:48.18]折木奉太郎:ま、待て、千反田、それを使うな [13:50.38]千反田愛瑠:へ? [13:51.22]折木奉太郎&福部里志:うあああぁぁぁぁぁ~ [13:59.33]「吹雪」 [14:00.16]福部里志:こうして、遠い位置に飛ばされたシンデレラと語り部は、元いた場所を探して、三千里もの旅路へと出発するのでした [14:10.06]折木奉太郎:はあ、もう、疲れたよ。何だかともて眠いんだ [14:16.85]「おしまい」