窓枠の影に起こされて
目を覚ます八月の朝
太陽の匂いに誘われた雲が
東の空に流れていく
心に差す日差しに目を細め
君の真似をして
残る夏の足跡を　辿る
僕が歌って　君が笑って
目を閉じた横顔
僕は　ずっと　ずっと
忘れてないよ
いつか観た　この景色
色褪せないように　唄うよ

子供達の声に　耳を澄ます
八月の昼下がりさ
潮風に揺れる　風鈴の音が
南の空に響いていく
僕を残して　暮れる世界に
体を沈めて　去り行く君の姿を視る
君は笑って　僕に言った
「大切な話が　あるの」
「ずっとずっと　忘れないでよ」
君の居ない　この夏が
翳らないように　花束を
嗚呼、此処に
生きてる時間に君は
もう居ないの

僕が唄って　君が笑った
ささやかなあの日を
僕は　ずっと　ずっと
忘れてないよ
君の居ない　この夏が
翳らないように
花束を　贈るよ