懐かしい顔触れは目前に居る僕よりも 前にも何処かで視た様な景色に興じる 開かれた写真の中 僕の配置が少しずれて居て 間の抜けた奴だと笑う傍から 冷たい温度に誘う 如何したお前は湿っぽい眼で 如何したお前は震えた口で 彼此理由の無い素振りで 埃だらけの季節を吐く 犇めいた現の風 痕も失くした様な淡い背中に 問い掛ける言葉は虚しいだけ 音も無く砕け散った 突然、真っ白い闇の中 視たことも無いヒト、「此方へ。」と ――ああもう、駄目みたい [02:30.95