そっと息(いき)を吐(は)いて 静(しず)かに目(め)を閉(と)じた さよなら 僕の愛(いと)しい君(きみ)へと 白(しら)と黒(くろ)を混(ま)ぜた 孤独(こどく)な坂道(さかみち)を 一人(ひとり)で君(きみ)は歩(ある)ける 琥珀色(こはくいろ)の 雲(くも)が過(す)ぎて 夜が溶(と)け込(こ)む 早(はや)くの手(て)を離(はな)して 「すぐに行(ゆ)くから」 僕(ぼく)はただ一人(ひとり) 君(きみ)のためなら嘘(うそ)をつける 君(きみ)だけは優(やさ)しさで 迷(まよう)わないよう 疑(うたが)うこと無(む)い 君(きみ)の心(こころ)を 汚(けが)すものが 何一(なにひと)つ 何一(なにひと)つ 無(な)いように願(ねが)うよう 棚引(たなび)く灰(はい)が 雪(ゆき)を零(こぼ)し 僕(ぼく)を迎(むか)える 足跡(あしあと)が消(き)えた先(さき)の 遠(とお)すぎた春(はる) 果(は)たせない日々(ひび)を 君(きみ)の隣(となり)で 君(きみ)の声(こえ)に 頷(うなず)いて 微笑(ほほえ)んだ 眠(ねむ)る時(とき)まで いつの日(ひ)か君(きみ)が 僕(ぼく)の想(おも)いに気(き)づくときは 何一(なにひと)つ 何一(なにひと)つ 残(のこ)さずに忘(わす)れて