[00:00.00]作曲:ふる [00:00.05]作词:ふる [00:00.50] [00:25.73]その眼が見据える晩年 [00:27.13]こまっしゃくれた鳴き声など [00:29.13]とうの昔に聴き飽きた [00:31.30]ずるずる四の足音 [00:32.65]歩む方向すら知らぬままに [00:34.06]ふらふら千鳥足 小瑠璃が笑う [00:36.82]道はか細い平均台 [00:38.22]右も左も宵の光 [00:39.65]どちらに落ちても奈落行き [00:42.30]辿り着いた濁世で [00:43.62]手招きをする曖昧宿 [00:45.09]あんよが上手は床上手 [00:47.34] [00:50.18]虚構の嵩 百貫の屑 [00:54.17]「また始まったよ」 [00:56.43]繰り返す東雲の空 そこかしこから雛型の産声 [01:03.72]荒れ果てた轍を通るとも知らずに [01:08.29]収まりつかぬ不相応の翼 [01:10.94]くちばしから垂れる墨汁は 降り出す雨に滲み広がる [01:15.91]俄作りの鳥小屋じゃ雨宿りもできやしない [01:19.00]泥水すすり いざ [01:21.67]一匁の分銅に脅かされ 命の時間が迫る [01:27.40]急げ渡れ 遠浅の海 遠雷響く彼方まで [01:30.16]墨で塗り潰したその道に [01:32.81]差し込むは藍白の亀裂 [01:35.52]拍手に飽きもせずに群れを成すは池の鯉 [01:38.15]「見ちゃいけない!」 [01:39.20]無い親指隠して通夜を飛び越えろ [01:45.80] [01:54.73]障子破りお迎え [01:56.04]錆びた掛け金 夢の跡 [01:57.60]早うこっちにいらっしゃいな [02:00.26]四畳半の鳥かご [02:01.59]謳うは有象無象の糞 [02:02.94]値札も反古して香具師は薄笑い [02:05.85]底打ちの誉れを [02:07.11]羽繕いしながら鶴首して [02:08.47]千切って毟って丸裸 [02:11.18]尼の匙を食い尽くし [02:12.70]そらあっちへこっちへ糧を探し [02:14.26]見上げりゃ屠殺場 後の祭り [02:16.73] [02:19.35]眩い暈 水仙の園 [02:23.18]「おやどこへ行くの?」 [02:24.94]朝露に濡れる山苔に足を滑らせ見失う陽の向き [02:33.14]不遜の羽ばたきはいつかの落日 [02:37.51]もろい橋に楔は打たれ 元より無い退路は断たれた [02:42.97]硝子を噛み砕き 小石を飲み込み [02:46.25]報われぬ天秤に飛び乗っては弾かれる [02:48.04]さえずる事も無く [02:50.51]一匁の御神みかみを崇め続け 祈りの時間を憂う [02:56.40]急げ集え 八百長の舞台 鐘よ響け [02:58.40]有明ありあけの空は蜃気楼の楽園 [03:02.03]救いの器で水浴び [03:04.85]墓守は公平な不公平に辟易 [03:07.47]「■■■■■」 [03:08.08]赦しを乞う御明かし消えた [03:11.25] [03:42.41]成れぬ 弧を描く燕に [03:45.01]成れぬ けたたましい烏に [03:47.95]成れぬ 愛歌う雲雀に [03:50.56]成れぬ 雛鳥にさえも [03:52.47]一匁の分銅に押し潰され 命の時間を看取る [03:58.02]嬲り殺す 鳥目の世界 足掻き叫べど [04:00.66]菊頂の羽根を揺らす事も出来ず [04:04.63]雀の涙の傾きを吹聴してはまた灰を散らして [04:09.67]押し寄せる鶸色の漣に文句も言えずに [04:15.17]止まぬ猟銃 白黒つけろ 腐る果実齧り付き [04:18.12]忌々しい屑鳥を撃て [04:20.80]命の通わぬ窓に群れ [04:23.76]振り払った蚕がまた呻きをあげる前に [04:26.18]掌で蠢くその卵と共に死に晒せ [04:36.88]