振り返らない  波打つ闇の淵瀬 月の光さえ 引き摺る力なく 肢を食む玉藻  誰が望んだ? わたしならもう疾うに魅入られた 声を無くし彷徨い続けた 君を捜すよ  攫われぬように 欠けて散って粉々になった 君の名を呼ぶよ  声が届くまで 形骸失えば  心は眠れるの? 想い出だけは 沈むことなく 漠とした海の上で揺らぐ 思い出して  生まれてきたこと  君を包んだ温かな光 君を繋ぐ命の糸を  双糸縒り合わせ千切れないように 声を無くし彷徨い続けた 君を捜すよ  攫われぬように 欠けて散って粉々になった 君の名を呼ぶよ  声が届くまで 声が届くまで