まんまる!月も凍る夜だから!お·な·べ! いろいろ!ブチ込みぐつぐつ煮込む!やみなべ! なんでも!気の向くまま入れればいい!お·な·べ! にるにる!煮る煮る元気煮る煮る!よせなべよ! ぐろぐろ!なんか入れればできるぞ!お·な·べ! ちょきちょき!ザリガニ入れて食べるぞ!かになべ! こんぶの!ダシは意味ない気がする!お·な·べ! にくにく!肉肉野菜肉肉!すき焼きだ! 材料求めたふもとの村では 「⑨だ…!⑨だ…!」と石を投げられ 八百屋に行ったら 塩を投げられて 肉屋 行けばシャッターが閉まり たたずむ… 「あたいはどうしても…!鍋食べたい!」 右手でひのきの棒を強く掴んだ 手に入れるためで 逃げ出すためじゃなく 街を飛び出してあてなく走ってた 左手のなべのふたは決意の盾 「鍋を食べるまで、あたい泣かない!」 並み居る妖怪 撃ち倒し走った 痛みすら凍らせて食材を探した 赤く煮え滾る氷を知ってるか それこそがあたいの名 氷の妖精チルノ 材料求めて村を後にして 三年… 出会いと別れの日々に いつしか鍋など忘れてしまった過去で… そんな事より「幻想郷(セカイ)を救う」と 誓ったあの丘を思い出し 進んだ 血染めの困難が待つ先へ 駆ける決戦の間(イタダキ)へ 立ちはだかる敵に 足を崩されて折れる戦友<ひのきの棒> この手に有るのはおなべのフタひとつ 「幻想郷(セカイ)救うまで あたい負けない!」 遂に決戦の時 邪悪に笑う魔女 右手には何も無い それでも立ち向かう 激しい攻撃 受けて消え行く意識 走馬灯の中には旅立ちの決意が… 「鍋を食べたかった」そう願った瞬間に 左手のなべのふた 輝きを放って 魔女を道連れに 真っ白に砕け散った もう涙が止まらない 今日は鍋にしよう