[00:29.53]きのう見た夢 あしたの日記に書いて [00:35.98]わたしサカサマ 罪と罰も罰と罪 [00:42.05]ルララ……素敵でしょ? [00:45.89] [00:48.61]たしかなきのう 崩れ 流れ 糸を引き [00:55.10]とろけたあすも ほらね グズズ崩れ落ちる [01:02.29]ルラ……踊りましょ? [01:04.81] [01:06.98]きばの無いけもの くらいそらのした [01:13.29]裁きを祈れ [01:16.77]いま こそ ヒカリヨ アレカシ [01:22.55] [01:22.75]けど それは なにも照らせない [01:29.48]無意味な ニセモノのひかりで [01:35.94]ひざまづき 泣いて 血を吐くの オネガイ [01:45.46]赦してよ…… [01:48.28] [02:08.71]ふるえるノドを 締めて優しくころして。 [02:15.13]錆びたハサミで おなか開いてさがして。 [02:21.13]こたえ……見つかった? [02:25.64] [02:27.81]カラの水槽 つもった 時間の塵に [02:34.29]なにを埋めよう たとえば わたしなんかどう……? [02:41.44]ほら にあうでしょ? [02:45.11] [02:46.09]羽の無い猫よ くらいそらのなか [02:52.55]すべてを裁け [02:55.90]きら めく 眼で わたしを焼け [03:01.97] [03:02.15]けど それは なにも裁けない [03:08.80]無邪気な イツワリのひかりで [03:15.07]星か月 割れた電球 ガラスだま [03:24.31]助けてよ…… [03:28.30] [03:49.61]もちろん、これはたとえばなしです。 [03:51.53] [03:52.13]たとえばむかし、あるところにお城がありました。 [03:55.03]なに不自由なく育ったお姫様は幸せであることに飽き、 [03:58.79]実験と称しては塔の上から袋詰めの猫を落とし、 [04:02.51]その自由落下のなかに生命の意味を見出していたのでした。 [04:05.71] [04:07.18]もちろん、これはたとえばなしです。 [04:09.09] [04:09.89]けれども [04:10.40]落とせば落とすほど [04:11.91]お姫様はわからなくなってしまったのです。 [04:14.41]「人生って、わからないなあ!」 [04:16.49] [04:17.07]お姫様は家来に命じて、自分と似た年恰好の12人の娘をさらい、 [04:21.50]自分と同じ服を着せ、自分と同じ化粧をさせ、窓からおとしました。 [04:26.66]12人目を落とし終えたあと、お姫様は [04:29.58]「人生って、わからないなあ!」 [04:31.05]と言いました。 [04:32.38]そしてお姫様は一生幸せに暮らしましたとさ。 [04:35.60] [04:36.26]もちろん、これはたとえばなしです。 [04:38.68]けれどもたとえばそれが人生というものなら、 [04:42.26]私は……私は……私は…… [04:46.56] [04:46.80]塔から落ちた12人の娘みたいに地面に深く埋まって、 [04:50.39]化石みたいにきれいな宝石になりたい。