降り頻る、六月の雨空に紫陽花の花は咲きました 雨宿りする場所すらもなくて、いつまでも心濡らしました 雨上がり、七月の青空に紫陽花の花は枯れました 過ぎし日々を思い出せば 心だけは色褪せず、君の傘を待ち続けた 派手に粧したマニキュアとピアス 長く伸ばした髪も君だけの為 薬指に残る指輪からぶら下がる、断ち切れた赤い糸 閉ざした君の胸の鍵穴 錆付いては合わなくなる、二つきりの合鍵 比例して吐いたはずの嘘にあの日、君が傘を閉じて 心は雨のち雨 眠らないのは寝顔が好きだから 眠れないのは孤独が嫌いだから 枕元に残る君の夢、なぞるように手繰るのは赤い糸 閉ざした君の胸の鍵穴 錆付いては合わなくなる、二つきりの合鍵 比例して吐いたはずの嘘にあの日、君が傘を閉じて 心は雨のち雨 震える肩を寄せて歩いた 記憶のなか、静かに咲く一つきり相傘 強がって堪えた幾つもの 涙雨が君と共に瞳を流れていく