20[lx 幽かに頬を撫でる風が冷たく 心までも冷やしてしまいそうに輝いている 金属の鍾乳石が 水滴を受けてる 足元にはパラジウムの 花が散っている 僕の足音が響いて 共鳴が聴こえる 目の前にはカドミウムが 僕を映してる 20[dB 仄かに月影が差す穴を見上げる 心を溶かしてゆく匂い 有機的な芳香 五つの月が この洞窟に 複雑な影を落とす 洞窟の上 見知らぬ世界 そして君と目が合った 金属の植物が萠え そよ風に揺れてる 地底湖にアクチニウムが 波立っている 僕の呼吸音が冷たく 光る水を揺らす 畦石池にはガリウムが 足を濡らしてる