君に会いに行く時は いつでも雨が降る ざわめくノイズの景色 揺らいだ一つの傘 窓を叩く音 溜め息の湿度 まとわりつく花の香り 曇る窓ガラス なぞる指先が零すしずく そっと ひび割れてく ゆるやかな化石みたいに 君に会いに行く時は いつでも雨が降る それでも傘を回して伫む君が好きで… 君がいなくなってからも 世界に雨は降る 「どれほど手を伸ばしても、星には届かない」 君は来ない… くもり空をすみれ色の傘で隠す君は来ない 君は来ない… 濡れた頬に触れて笑う君はいない 傘は、いらない