湯飲み茶わんに茶柱揺れて 小春日和が暖かい 二人三脚綴れ坂 手探りながらついてきた 私にしてみりゃ宝物 ねえ おまえさん 何もないものが 私の取り柄 体一つが持参金 噛めば噛むほど味がある スルメのような人生よ 二人で歩いてきましたね ねえ おまえさん 思い込んだら 後には引かぬ 兎追い越す亀もある そんな言葉を口癖に 木枯らしさえも耐えてきた 心に通う渡し舟 ねえ おまえさん