[00:00.490]夏風がノックする [00:02.850]窓を開けてみると [00:05.640]何処からか 迷い込んだ鳥の声 [00:11.310]読みかけの本を置き [00:13.590]「どこから来たんだい」と笑う [00:16.330]目隠ししたままの 午後三時です [00:22.010]世界は案外シンプルで [00:24.200]複雑に怪奇した私なんて [00:28.040]誰に理解もされないまま [00:32.730]街外れ、森の中 [00:34.860]人目につかないこの家を [00:37.560]訪れる人など居ない訳で [00:41.520]目を合わせないで [00:43.880]固まった心、一人ぼっちで諦めて [00:48.050]目に映った 無機物 (もの)に [00:49.960]安堵する日々は [00:53.410]物語の中でしか知らない [00:56.280]世界に少し憧れることくらい [01:00.470]許してくれますか [01:04.930]淡々と流れ出した [01:07.030]生まれてしまった理不尽でも [01:10.070]案外人生なんで [01:12.670]私の中じゃ [01:15.470]ねぇねぇ、突飛な未来を [01:17.570]想像して膨らむ世界は [01:21.300]今日か明日でも [01:23.440]ノックしてくれないですか? [01:27.580]なんて妄想なんかして [01:29.420]外を眺めていると [01:32.300]突然に聴こえてきたのは喋り声 [01:38.000]飲みかけのハーブティーを [01:40.900]机中に撒き散らし [01:42.500]「どうしよう・・・」 [01:43.600]とドアの向こうを見つめました [01:46.920]「目を合わせると石になってしまう」 [01:50.900]それは両親に聞いたこと [01:53.450]私の目もそうなっている様で [01:58.859]物語の中なんかじゃいつも [02:01.500]怖がられる役ばかりで [02:04.060]そんな事知ってる訳で [02:09.980]トントン、と響きだした [02:12.900]ノックの音は初めてで [02:15.440]緊張なんてものじゃ [02:18.050]足りないくらいで [02:20.720]ねぇねぇ、突飛な世界は [02:22.900]想像してるよりも [02:26.040]実に簡単にドアを [02:29.290]開けてしまうものでした [02:52.700]目を塞ぎうずくまる姿に [02:55.429]その人は驚いて [02:57.929]「目を見ると石になってしまう」 [03:00.620]と言うとただ笑った [03:03.270]「僕だって石になってしまうと [03:06.410]怯えて暮らしてた [03:08.460]でも世界はさ、案外怯えなくて [03:11.550]良いんだよ?」 [03:15.200]タンタン、と鳴り響いた [03:17.520]心の奥に溢れてた [03:20.760]想像は世界に少し鳴り出して [03:25.929]ねぇねぇ、突飛な未来を [03:28.330]教えてくれたあなたが [03:31.390]また迷った時は [03:34.640]ここで待っているから [03:58.010]夏風が今日もまた [04:00.700]あなたがくれた服の [04:02.590]フードを少しだけ 揺らしてみせた