私はただ焦りながら 真っ白な教科書を開く ふらり、バスにゆられながら 酔い止めの眠気と戦う 「ところでこのバスは、 その、何処へ行くの?」 乗客の一人が聞く 「まあまあ、慌てなさるな これからまだ長い旅が続くのさ」 …あー … 誰だ?うるさいな 泣いている声が聞こえる 往く人、留まる 君もほら、行かなくちゃ 果てなき涙にまみれた 澄み切った前足で 何を掴むのかと何度も問いかけたとこで 新しい旅立ちが私を待っている ほら 誰か、居るのか 震えてる息が聞こえる …ひどく曖昧だ もう僕も、行かなくちゃ ほら さあ 僕らはみな生きてたから 愛しあい 殺し合い 笑いあえるんだよ、と 涙を拭うフリをして 歩き出す 少しづつ 世界の何処かで 今 END