つまさきであやす月の兎は踊り 星の間を飛びまわる 口笛吹き 飛沫 あがる わたし 駆ける 追いかける星は まわる まわる ちいさなつぼみ さいて さいて 月にお願い おだやかな影に薄化粧 しらずしらず えいや!と投げた つぼみは 行方知れず のまま 弧を描き 影は延びる 陽炎の先に さいた あった! まあるい花が さいた さいた 星の破片が 気づかぬうちに 隠れていた兎もまた弧描 月の裏側で泣いていた さいて さいた 風に揺られて おだやかな坂は 薄化粧 下駄鳴らして口笛合わせ 凛として はんなりの こころ