この子の七つのお祝いに あさき 神曲 PCMS ACG GROUP [00:03.75]この子の七つのお祝いに [00:04.86]子守唄 [00:09.15]「この子の稚きててが握る紅差し指は禍福よ」 [00:22.08]貴方の遺愛のぼんぼり粛然と [00:23.95]灯点して暗夜に濡つ [00:25.62]私と子と交錯する雨音に心願 [00:27.06]「散華と散り敷く涙も枯れた」 [00:28.15] [00:28.79]あれから幾年 貴方が残したちぃさぃ幸せ [00:30.32]髪締め乍ら 夜な夜なこの子の為にと [00:32.44]子守の唄を 口遊び 徘徊る四肢 [00:40.46] [00:44.23]臥所の灯りに ゆらゆら寂寞 [00:46.11]天井踊って 廊下に破れ [00:47.37]飛び散る手足が頭についたり [00:48.94]炯々 いひひ と耳奥舐める [00:49.98] [00:50.56]毎晩毎晩 舌掻きむしって 騒擾 [00:51.82] [00:52.13]反り返る [00:53.49] [00:53.86]もういいかい もういいかい と笑む [00:55.13]稚拙な吐息で炙られても [00:56.43]この子のために [01:05.45] [01:08.16]うしろの正面だぁれ [01:13.61] [01:14.32]白黒キネマの廃工場から流れる煙がこの子を包む [01:17.67]右手 左手 足 首 心音 [01:21.39]蛇口に隠れた少女が飛び出し小さなこの子の姿に閃光 [01:25.51]少しずつ食む [01:26.22] [01:28.35]この 笑みも 心の埋み火 一切 誰にもやらぬ! [01:31.51]貴方が残した小さな幸せ守るために 白鶴 [01:34.51]「溢れる汚水に片身を浮かせて!恥ずべき奴だ!」 [01:37.44]ゲラゲラ讃える狐の団居に背を向け [01:39.32]唇噛みちぎり ぼんぼり抱えて慟哭 [01:42.76] [01:43.50]ああ 静かに流れる音が [01:46.88]こだまして九十九折りなす [01:50.44]小さな貴方の手を引き 生きていく [01:55.83]ひらひら 椿の散華 [01:58.87]同じ重さの掌にそっと頬よせ [02:05.38]火を灯す [02:16.49] [02:37.55]言祝きとした 白雨 消え入る [02:42.23] [02:43.80]白黒キネマの廃工場から流れる煙が眩き昇る [02:47.07]金切り声あげ大路に集まり跋扈に錯乱 縺れて不揃い [02:49.74]刻々次第に影絵となりて [02:51.50]化粧いた眼球親子に向ける [02:52.83]奥歯をならしてしたたる夫婦が [02:54.35]咫尺で息吹く [02:55.46] [02:55.81]懐手して足踏みする翁が [03:00.46]手遊びする媼に耳打ちをしている [03:05.41] [03:05.83]狐「ほらほら はやく 息 とめなくっちゃあ! [03:11.27]背中にしがみついて 首刈るぞ」 [03:16.31] [03:17.35]点鬼簿くわえた白髪少女が神木登って爪立ち絶叫 [03:19.83]咽び この子を 抱き締めた [03:24.82]狐の堵列は這いずり回って裂帛為い為いこの子を掴んだ [03:27.43]嗚咽 [03:28.38]「嗚呼 この子だけは なくさぬように」 [03:29.87] [03:30.51]助けて! [03:30.91] [03:31.66]女「耳 鼻 目 口 髪の毛一本 誰にもやらぬ!」 [03:34.50]狐「おまえが望んだ幸せ ひとつも ひとつも 叶わぬ」 [03:37.63]髪の毛むしって嗚咽 [03:38.89]少女はもんどりうって笑う [03:40.46]老夫婦「隠してしまえよ この子が七つになるまで」 [03:41.95] [03:42.57]女「ああああ貴方!鯉のぼりが空に昇って行くまで!お願い! [03:43.26]」 [03:43.64] [03:44.13]「この子に幸せの風が吹きますように」 [03:45.30] [03:46.44]ああ 貴方の足跡灯し歩く小さな背中をみて祈った [03:54.44]この子の七つのお祝いに 小さな折り鶴ひとつ 水上から流す [04:04.07]幸せ込めて 貴方は風に舞う [04:09.95] [04:10.51]明らみ差し込む光の尾が笑み [04:12.10]貴方の遺愛の灯りを消し去り [04:13.59]大路を掠めて悠然と舞い [04:14.96]神の木連なる閑居に消えた [04:16.44]狐の堵列は歪にくねって右顧左眄 互いに食い合う [04:18.53]時折八ノ字に笑みながら [04:20.70] [04:22.13]おやすみよ すやすやと かわいいこ [04:27.58]あなたは 目を閉じて [04:32.70]ただすやすやと おねむりなさい [04:38.78] [04:39.06]崩れた積み木の下で抱く狐色の子 [04:48.00]逃げていく [04:50.42] [04:50.69]神木から落つ 少女の顔ただれて泡吹き 金切り笑う [04:53.10]浅黄に染まった男と女は利休鼠の眼球こすって痙攣 [04:56.04]劈く音して一瞥 先には [04:58.47]双眸を縫ったお狐様の行列が 股開く [05:06.65] [05:08.17]もういいかい [05:08.50]まあだだよ [05:08.77]もういいかい [05:09.01]もういいよ [05:09.24] [05:09.45]首転がる [05:09.68] [05:09.98]「ああ この子が大きくなれば あなたと過ごした日々がまた [05:15.59]」 [05:16.28]瞳は刻んだ硝子の回想 [05:21.00]空を泳ぐ鯉のぼりだけは知っていた [05:25.35] [05:25.55]あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・ [05:28.65]あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ─ [05:32.11] [05:32.30]あ! [05:35.09] [05:35.34] [05:35.64]この子 [05:36.41]よく [05:36.85]見たら [05:37.03]あ─あ─あ─あ─ [05:37.22] [05:37.64]お人形