七月の夕暮れ 小さな舟 澄み渡る夏空の下を漂う . 不思議の国の小川よ 金色にきらめく夢 波間に揺れる旋律 永遠へと繋がってるはず . 誰も語らない物語なら このまま過去に溶けてしまえばいい 終幕のない御伽話なら 何度も書き直し心に閉じ込めよう 静かに眠るよ . このまま漂えば 辿り着ける? 人生のその意味 わかる日がくる? . いつの間にか色褪せた 若緑に染まる日々 記憶も途切れ消えてく 秋の霜が夏を斬る . 次の季節がやってくる時には 仙境は今と同じようにいられる? 過ぎたあの夏の追憶たちを 時々誰かが偲ぶのかな? . アリスという名の少女の声 枯れた森にまた谺する 夏の衰えの中で 戻らない日の夢をみてしまう . 「果てしなく流れを漂い下り 黄金の輝きの中で戯れ」 草葉の匂い 解けない指先 零れる涙はすべてを憶えてる . 散った薫りも 消えかけた熱も 今も鮮やかに蘇るのにね 仙境の形もいずれ崩れ去る 彼女は帰らないの 季節だけがめぐる 人生はただの夢かな…