[00:28.702]三千世界 何羽目の鴉 逆夢の中 首を絞め殺ず [00:32.649]又 同じ朝 又 同じ空 眺めて一人 死なねため幕らす [00:36.318]兎角 あな憂き世は世知幸く 幕れの遊郭は燃えるやりに紅く染まる [00:40.358]きりとて地獄か知らぬ 生きれば極樂 [00:43.655]手練手管 時に腫れる毒舌 手練手管 時に 荒れるほと口説 [00:47.556]手練手管 時に愡れると欲目 悋気は煙管吸うて吐いて捨てる [00:51.179]しゃなりしゃなりと参りんす 花魁一輪 足元 鈴の音がちりん [00:54.662]真の心 此処にありんせん わっちゃあ女狐でありんす [00:58.284]狂乱 白い素肌舐め回す様に見つめる殿方へ冗読 [01:02.742]口三味線の戯れに踊れ 肌蹴た体重ね重ね [01:06.542]乗れば誰かの愡れた腫れたに失う乙女心 [01:09.979]あの子じゃわかりゃあせん花一匁 [01:12.347]わっちゃあ華でありんす 早ようおいでなんし [01:15.567]一層他に居ないか 探してくりゃしゃんせ [01:19.607]浅葱裏にお武家様 見ておくんなんし [01:22.765]後一花咲かすまでは枯れやしない [01:26.790]臆 後生だから 早ようおあがりなんし [01:29.948]指切拳万 又来てくりゃしゃんせ [01:34.081]唯一夜切りの夢 おしげりなんし [01:37.193]娑婆で呑気に生きる彼奴らには判りやしない [01:41.782]鳥籠の中で咲いては散る華 この運命 [01:44.522]滑り落ちてくる言葉さえ誰が為ではなく己が為 [01:48.129]十の頃売られて来た身の上 憂き世浮かぶ命繋いだ一筆 [01:52.123]日の本唯一女が下克上出来る廓で生きる それ故 [01:55.838]好色煙に巻いて寄り縋る 皆平伏し情けを乞いたがる [01:59.321]華に群がる栄華の夢 されと遊女が此処では菩薩に成り上がる [02:03.269]妖艶な姿に指を這わした間の心変わり [02:06.519]客が立ち止まる見返り柳 花魁道中 高下駄描く八文字 [02:10.560]言葉巧み 咲いて舞って 元の木阿弥になって泣いて [02:14.043]物悲しく幼気な期待は抱いて居ない [02:17.061]愡れた雅れたよと喉枯らし 聞こえただけで事もなし [02:21.272]心の底から主に惚れてなうらふ [02:24.616]わっちゃあ華でありんす 早ようおいでなんし [02:27.820]一層他に居ないか 探してくりゃしゃんせ [02:31.814]浅葱裏にお武家様 見ておくんなんし [02:34.879]後一花咲かすまでは枯れやしない [02:39.059]臆 後生だから 早ようおあがりなんし [02:42.170]指切拳万 又来てくりゃしゃんせ [02:46.210]唯一夜切りの夢 おしげりなんし [02:49.368]娑婆で呑気に生きる彼奴らには判りやしない [02:53.966]籠女籠女 遊んではいけない [02:55.684]あどけない声で啼く 夜明け [02:57.635]例え何度目だとて入れない [02:59.306]籠は遊郭じゃないわいな [03:00.978]籠目籠目 囲んで帰れない [03:02.929]已むを得ないと照れ隠し 真正面 [03:04.740]誘えないとて あの世界で会いたい [03:07.015]無い袖は触れない [03:08.455]何時 何時 出遣る 聴こえぬ合いの手 [03:10.313]変わらない渡世 目挑心招 [03:11.984]柔な態度では 名乗れない花の名 [03:13.796]敵わない到底 花魁道中 [03:15.653]折花攀柳 天高く舞う ひらりひらり 手管 切磋琢磨 [03:18.827]綺羅びやかに淫ら 水を弾く肌 風に揺られる花を見やしゃんせ [03:23.928]わっちゃあ華でありんす 早ようおいでなんし [03:27.426]一層他に居ないか 探してくりゃしゃんせ [03:31.373]浅葱裏にお武家様 見ておくんなんし [03:34.392]後一花咲かすまでは枯れやしない [03:38.618]臆 後生だから 早ようおあがりなんし [03:41.683]指切拳万 又来てくりゃしゃんせ [03:45.739]唯一夜切りの夢 おしげりなんし [03:48.897]娑婆で呑気に生きる彼奴らには判りやしない [03:53.031]わっちゃあ華でありんす 早ようおいでなんし [03:56.096]一層他に居ないか 探してくりゃしゃんせ [04:00.182]浅葱裏にお武家様 見ておくんなんし [04:03.387]後一花咲かすまでは枯れやしない [04:07.427]臆 後生だから 早ようおあがりなんし [04:10.585]指切拳万 又来てくりゃしゃんせ [04:14.625]唯一夜切りの夢 おしげりなんし [04:17.783]娑婆で呑気に生きる彼奴らには判りやしない