照りつく光を集めて静かに揺れる世界 地平線に溶けてくかすれた雲 風が飲み込んで群青に沈んでく午後 夏の色に染まった横顔 両手を広げて 心がうずいて 欲しがるのは なくした翼 蒼く澄みきった風に身を預け まっすぐに空を裂く雲を消えるまで見てた どこまでも空を飛べたはずなのに なんでだろう 歩き方さえも思い出せないんだ 街並み溶かして背のびする物好きな陽炎 窓のそばで揺れてる君の仕草 僕はうそぶいて単調に過ぎてく午後 夏の雲に重ねた横顔 辛いほど近くて ふれるには遠くて 足りないのは なくした心 悪戯に君は「夏の魔法だね」と 太陽が薄れるくらいに微笑んでみせた たまらずに僕は口をつぐむけれど なんでだろう そんな優しさに勝てる気がしないんだよ 憧れは空に消えたはずなのに なんでだろう 心切なくて止められないんだ 青く透き通った限りのない空 太陽にはばたける羽も自信もないけど そっとつぶやいた 間違ってなんかない そうだろう あの日見た夢に迷い込んだ夏空の魔法