[00:00.58] [00:15.40]辛辣な言葉に出会った。 [00:19.54]心は焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。 [00:27.30]形もわからなくなって落ちた。 [00:31.47]存在範囲を失った。 [00:35.00]涙腺は詰まって流れず、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。 [00:42.55]温度は奪いとられて落ちた。 [00:47.37] [01:01.55]ものさしが足りないと気づいた。 [01:05.63]心はまた焦げて軽くなって、はらりと腹の底に落ちた。 [01:13.47]形なんて残らずに落ちた。 [01:17.83]輪っかはすでに続いていた。 [01:21.91]涙腺は今も詰まったまま、迷子の水滴(しずく)も落っこちた。 [01:29.07]摂氏0.001度で落ちた。 [01:33.45]灰は埃を舞い上げていたが、使い古しの涙が固めていった。 [01:48.52]絶望でさえも、削れやしない。 [01:51.84]最悪でさえも、崩せやしない。 [01:55.71]そういう強さが宿ってゆくなら、 [01:59.59]幾度でもいい。繰り返してやろう。 [02:03.88] [02:18.85]何万年とは言わないが、年月は形を与える。 [02:26.85]悲しみの分だけ立派になれよ。 [02:31.08]悔しさの分だけ美しくなれよ。 [02:35.31] [02:49.78]積み上がった灰の城はいびつながら、心までまた届くだろう。 [03:05.64]絶望でさえも、削れやしない。 [03:09.05]最悪でさえも、崩せやしない。 [03:12.77]そういう強さが宿ってゆくのを、 [03:16.60]信じ抜くのが生きるってことか。 [03:20.67]呼吸をいつか止(や)められたとき、 [03:24.38]この中身を広げてください。 [03:28.21]大切にいつも守ってきたもの。 [03:32.06]誰かのためにもなれるように。 [03:37.94]