泣き出しそうな横顔に 月の灯りが眩しくて 道に心をつくし果て 遙か遠い昔を連れ添って 遠く謳う産霊の聲 月は雨に溶けて 高く揺れる葉月の稲 雲は月を隠し 君の腕を取って 不浄の果てに彷徨う 泣き出しそうな横顔に 射した灯りが悲しくて いたづらに身はなしっとも 遙か遠い昔を連れ添って 稔りゆく玄月の宮 僅か震える手で あないとしき君が 必要としてくれたら 誰も知らない刻の中 暮れる世界を見送って 限りなき思ひに焼けぬ 変わらぬ君を眺め続けて 泣き出しそうな横顔に 射した灯りが悲しくて おのが君の仰せ言 叶える為にこの身を捧げて 思わせ振りな横顔に 月の兎も見愡れて 不浄の國に佇んた 死ぬる命をすくひやはせぬ