作词 : 凋叶棕 作曲 : ZUN 親知らず 子知らず 誰知らず あちらこちら ゆらりゆららふれ そしてまたしらないあしおとひとつふえた あれもこれも だれにもいわぬよう こわいこわいだれかのみみにとどかぬよう 親知らず 子知らず 誰知らず だれもしらない なにもしらない けれどひとはいきていく—— ——そこゆくあの子は何処の子ぞ? ——そこゆくあの子は誰の子ぞ? 知らぬは はや口塞げ 知らぬは はや目を瞑れ ——そこゆくあの子はいつの子ぞ? ——そこゆくあの子は何の子ぞ? 知らぬは 問うこと勿れ——いたずらに。 けして叶わぬ夢を抱く それが叶わぬ夢などなく けして続くものなどはなく それが続かぬ道理はなく けれども生まれるモノこそは だれかの血の中に けして分からぬものなどなく それは分かるものなどでなく けして潰えぬものなどなく それは潰えるものではなく そうして見渡す雑踏に だれかに続くもの その手取る覚悟をもて 足を踏みやるがいい 何も畏れぬものに それは微笑むだろう さあさ ここぞ夢の国よ 【妖】(けして続かぬもの)達が その命続かせていく それ——幾多満ちていく。 さあさ ここぞ夢の国よ 【人】(分からぬもの)達が なお互いわからぬままに それ——数多満ちていく。 生きていく 一度生まれた命あるもの 町行く、そは、妖怪小町 皆知らぬそ知らぬ何知らぬ それでなお誰もが知っている きっと—— 誰にも理解されぬ思いを持ち 誰をも理解できぬ心を抱え 戸一つ隔てたならその先 深い深い闇がお前に笑いかける その目その口その肌 何もかも告げている 人と妖(人でなきもの) なにが違うものか さあさ ここぞ夢の国よ その姿同じなれども その心違はましかば ほら——あれぞ麗しく! さあさ ここぞ夢の国よ その姿異にすれども その心変わらずなれば ほら——あれぞ美しく! 幻想は 続かないもの続かせるまま 今尚語るむかしばなし だから生きていけ 一度生まれた命あるもの 町行く、そは、人妖小町 親知らず 子知らず 誰知らず————。