『いつの日か、さよならを終えたなら』 拝啓、で止まった手紙 届く宛てもないのね 机上にある笑った顔の 私と目が合うから 窓際に目をやると 室外機、露が跳ねた 君はまだ眠ってるみたい よほど疲れたのね ただ 影が一つ伸びていく 傾いた夕の世界で 蝉の音が窓を叩くのも 君は気づかないまま さよならの 後なんていらないと さよならの 前までは思ってた 夕立も 見劣りする泪の嵐の跡で 七月に 反射した七の色 君の目じゃ 見ることは叶わない ざまあみろ、私だけのひみつさ 泣いてよかったな   ここはそんな場所 君が”会いたい”に飲まれそうになっても 君と相対の世界に私はいる それを大体の人は信じないだろう だけど代替のない本当の話だよ 今はまだ渇きかけの記憶を 濡らすのをやめられやしなくても しわくちゃの思い出が実を結び 泣いてよかったな そう思えるから さよならの 後なんていらないと さよならの 前までは思ってた 夕立も 見劣りする泪の嵐の跡で 七月に 反射した七の色 君はまだ 見ることは叶わない  いつの日か、さよならを終えたなら ひみつの先で 待っているから 終わり