作編曲 / 作詞:キタニタツヤ Vocal:キタニタツヤ 朝の匂いと流涎 瞼の奥から 流れ込むのは くすんだ光の束 同じ夢にずっと 犯されているのは 生活の全てが不安に溺れているから 幼い日の記憶にこびりついていた 水槽の中の巨大な生命の声 ちっぽけな私の両目はいつしか 恐ろしく美しかったそいつに奪われていた 静寂に包まった波間で僕はずっと あの声の持ち主を待っているんだ 暗い海の化け物の声が聞こえる 美しい歌、空恐ろしくなるような 心臓の底で息をしている 今でも 暗い海の化け物の声が聞こえる 夢だとわかっても 耳を塞いでも 心臓の巣食う巨大な不安が僕を蝕むことさえ 気づかず、息をしていた わかっているつもりていたんだ、僕は ちっぽけな自分を嗤いさえしたんだ でも本当は過信してしまっていた 「成長」という呪いで錯覚を起こしていた 静寂に包まった波間を漂って あの声の持ち主に出逢った 灰ばんだ瞳孔に魅入られてしまった 暗い海の底へと落ちてゆく 暗い海の夢、終わらない悪夢の中 美しい歌、確かに近づいている 僕の両眼は開けられないまま 今でも 暗い海の化け物の声が聞こえる 現か夢かもわからなくなったよ 僕の視界を覆うほど巨大な口が じわりと開いていく 僕を飲み込むように