「ね、おしえて あのひと どれくらい好きなの」 「ええ それはもう 誰にもまけないくらい」 「わたしもおなじよ」って 視線を泳がせた その先、あのひと 今日も 窓の外の かわいい人を 見つめて ためいきついた はらはら舞い散る 花びらが肩に そっと とまっている / 近くにいきたい うらやましくて もっと 噂する 図書室の 机の上に置かれている 水槽をでれない 金魚がふたり 綺麗な装いで 楽しませていたい 憂いをふくんで暗い 墨のような瞳 水で薄めてあげたい だから 金襴緞子(きんらんどんす)の わたしのすがたを もっと 見つめていて お魚の接吻(キス)は かるく触れあうだけで シャボン玉 むくわれない その気持ちは わたしたちもおなじだよ / 「なげかないで」「なげかないで」 遠くで 泣いた 夕暮れがきても 動かない背中 なぜ ふるえてるの / あなたをいじめる、かなしみ / 忘れさせてあげたいの 金襴緞子の わたしのすがたに 眼を細めていて お金魚の接吻は かるく触れあうだけで シャボン玉