あのね...まゆしぃはずっと思ってたんだ 私の彦星様はずっとそこに在るって いつだって、どんな時でもまゆしぃの側で眩しく輝いてくれるんだって ずっとずっとそう信じてたんだ あの日、大切な人を失くして空っぽになったまゆしぃを救ってくれたのは オカリンだったよね オカリンの人質になって毎日をすごす中で まゆしぃはまた大切なものを取り戻すことができたんだよ まゆしぃがいて オカリンがいてくれて みんなの笑顔がそこに在って それはとても大切な毎日で だけど、それは当たり前なんかじゃなかったんだよね あの時失くして分かっていたはずだったのに それでもまゆしぃはまた忘れちゃってたんだ 大切なものは、ある日とつぜん目の前で失くなってしまうかも知れないという事を ねぇ...知ってるかな?まゆしぃの夢 ずっと前に七夕様の短冊に書いた まゆしぃの小さな小さな夢 「織姫様になりますように。」 えへへ...なんだか恥ずかしいね でもあの日、まゆしぃの伸ばした小さな手をあの優しい手が掴んでくれた時から それがまゆしぃの夢になったんだよ だけど、その大切な彦星様から輝きを奪っちゃたのは まゆしぃ自身 きっとね、怖かったんだと思う もしもあのままもう一度送り出しちゃったら オカリンはそのまま遠くにいっちゃうんじゃないか まゆしぃの元から離れていっちゃうんじゃないかって そんなまゆしぃの我が儘のせいで それまでみんなを照らしてくれた彦星様は、その輝きを失っちゃった まゆしぃの彦星様は、今とても暗い雲の中にいるの そして、その雲を吹き飛ばすためには待ってるだけじゃきっと駄目なんだよね あの夏、まゆしぃを救ってくれたのはオカリン だらか今度はまゆしぃの番 いつまでも泣いてるだけじゃ、守られているだけじゃ嫌だから 暗い闇の中で悲しそうにしている彦星様を見ているだけなのは嫌だから だからまゆしぃは、私は、人質を卒業します オカリンは怒るかも知れないね でもこれは私の選択 大丈夫、心配しないで これは私がやらなきゃいけないことなの あの日置いてきてしまったみんなの思いを、私の想いをもう一度取り戻すために だからお願いします 夢見てた織姫様には成れないかも知れないけど それでもいつかまたきっと、眩しく輝く彦星様の 大好きな鳳凰院凶真の姿を見ることができますように