[00:00.000] 作曲 : ふる [00:00.016] 作词 : ふる [00:00.50] [00:10.91]娯楽の音に揺れる二等車を照らす [00:15.73]窓の光は色褪せたフィルムのようで [00:20.44]映り込んだ影は杯を交わし [00:25.11]狂い出した車両の調に体を預ける [00:32.58] [00:35.04]「悪い値段じゃあないだろ」と鼻で笑い [00:39.58]手垢まみれの小銭稼ぎに走り回る [00:44.06]それでも愛すべき累犯者共はとうの昔に [00:50.46]擦り切れたレコードを手放しはしないだろう [00:54.34]Бедность не порок. 見知らぬ群集を掻き分けて [00:58.68]Правда глаза колет. 資本主義の時差を追い越して行け [01:04.26]Бедность не порок. リールを失くした映写機は [01:08.57]Правда глаза колет. お前を捉えて放しはしない [01:13.57]初版のトルストイが空に星屑を吊り上げた [01:17.53]白樺の鼓動は氷雪に血と水脈を張り巡らせて行く [01:27.14]一瞬の奇蹟など信じて落とし子に大枚はたいて [01:31.91]もう行っちまった成金共はあの白夜の向こう側だ [01:36.89]荒れた呼吸で肺に砂を積もらせる前に [01:41.33]「我々は娯楽を賛美する!」と名誉の咆哮よ響け [01:51.57] [01:55.82]芸術の音に揺れる一等車に香る [02:00.78]今は遠きリラの花が眼に焼き付く [02:05.54]魚の臭いも繋駕の熱狂も呑んだくれの口喧嘩も [02:12.66]ここまではもう届かないのだろう [02:15.79]Москва слезам не верит. 遠ざかるオーロラも背にしては [02:19.46]Все под богом ходим. 遥かに霞むか水の都よ [02:25.13]Москва слезам не верит. 途切れ途切れの舟歌も [02:29.41]Все под богом ходим. 凍てつくヴォルガは見放しはしない [02:34.69]初犯のスチリャーギが空にその首を吊り下げた [02:38.64]白樺の鼓動はがたつく車輪の喚声で掻き消されたまま [02:48.56]怨念と埃は立ち籠めて生温く頭を掻き乱す [02:53.34]野暮な懐古主義者は幻日に囚われているんだ [02:57.94]荒れた寝床で肺に口付けを飲み込む前に [03:02.29]「我々は芸術を賛美する!」と手向けの咆哮よ響け [03:11.65]車掌さんはこっそり Люли, люли, ライライライ [03:18.15]お部屋にお邪魔して Люли, люли, ライライライ [03:23.16]窓辺に斧が光るよ Люли, люли, ライライライ [03:27.82]車掌さんはお腹いっぱい Люли, люли, ライライライ [03:32.64] [03:42.71]無口な音が根を張り蒸気は朝に煙る [03:47.19]「同志、刮目せよ!」と夜を渡る [03:50.19]明日の幸福の成れの果て [03:51.99]白樺の鼓動は氷雪に血と水脈を張り巡らせて行く [04:01.56]深雪の底に春を信じて灯す燐寸が荷を照らしては [04:06.97]喉を焼くウォッカの熱は今 雪解けを挑発する [04:11.28]お伽の終着駅ウラジオストクの海原 [04:15.61]「我々の声は届いたか!」と弔いの咆哮よ響け [04:26.03]