虹の影だけ やわらかい糸 ドアの声確かめて 今日もあっけなく終わる ねぇいるんでしょ 檻に飽きたの? この羽を 摇らしても あの日は届かないの どの色でも良かった その七色のどれか一つで 食べかけのりんごを 手渡すように 紅に染めよう さぁ出て追いで 深紅の霧を 渡って追いで 裏返しのまま 時に抗う短い幸せ 紅く溶かして もう月に届く 表と裹が つまずき変わる世界に呆れ この小さな部屋は さぞ完璧な紅い鳥籠 さぁ出て追いで 深紅の道を 見慣れた景色 どこへでも行ける 時に疎くて 気づけば隠れる 月を齧って 食べかけのままで 愛しく聞こえる 鳴き声透明にして さぁ出て追いで 深紅の霧を 渡って追いで 裏返しのまま 時に抗う短い幸せ 紅く溶かして もう月に届く