鏡を映す 眼球に巣食う蟻が溢れ頬を伝った 球面の疵 痒みは無意識に潜む   爪の先が短い 爪の先が足りない 爪の先が愛しい 君の爪はもうない   MotherGooseを聞きながら 焦がれる夜を夢みてた シーツを汚したものは 教えてあげない OverDoseに揺れながら 痺れる舌に絵を描いた 清冽な君の朝に 声は届かない   金色の花 ゆらゆらとゆらめくゆらとゆらゆらめいている 椅子の心臓 鼓動に虫ピンを刺して   凍る指は輝き 凍る喉はさざめき 凍る目は麗しく 飽きるまで取っておこう   天井を見つめている 網膜を這う蟻の影 舌の下の苦味で 七色に染まる 筆の先をひたした 水素色の万華鏡は 孤独にじむイデアを 塗り潰していく   耳疼く蟻の声 糸と成す蟻の列 噛み潰す蟻の味 噛み千切り髪の味   MotherGooseを聞きながら 焦がれる夜を夢みてた シーツを汚したものは 教えてあげない   OverDoseに揺れながら 痺れる舌に絵を描いた 清冽な君の朝に 声は届かない   MeatSauceを舐めながら 君の瞳にくちづけた シーツを汚した君は 二度と動かない