歪な森 蒼褪めて痩せてゆく 濡れる鴉 さめざめと 少し寒い 滅びるような午後に 呼吸はなく 余韻は永く 白い肌に枯れた風が吹きます 澄まし顔の繭は濃く 厄を連れて行き先のない闇へ 川を下る流し雛 孤独に映える月 運命が狂うほどに 冷たい世界は美しく こちらへどうぞ それはまるで秋の牢獄みたい 春を焼いた紅い色 薄明かりに静寂が送りだす 川を下る流し雛 孤独に映える月 運命が狂うほどに 冷たい世界は美しく 夜は火照る 孤独を喰べた月 常闇を満たしてゆく 冷たい世界に浸されて 虜にして 孤独に揺れる月 運命は輪廻の檻 冷たい世界は美しく 繰り返して 孤独を模した月 常闇の回廊から 冷たい世界に浸されて こちらへどうぞ